"天然"という名の凶器
どこの世界にでも、”天然”と称される人がいる。
私がこれまで生きてきた狭い世界にも、何人かいた。
もう名前も思いせないほどだけど。
今の職場にもいる。
これまで一緒に働いていたわけではないのだけれど、天然さんと一緒に働いている同僚からはよく話を聞いていた。
いわゆる”天然”エピソード。
聞いていて「へぇ~」「変わった人だな」程度に聞いていたけれど、
同僚は、世の中に天然なんていない、あれは計算づくだ、と言っていた。
(まぁ同僚は天然さんに振り回されていたのでかなり鬱憤がたまっていた)
確かによく考えてみると、「あの人天然だし」というと話は通じるけど、
じゃ天然って何?って聞かれると説明できない自分がいる。
そんな中、昨日実際に天然さんと話す機会があった。
時間に35分(←きっちり測ってた)遅れてきた。
5分程度ならともかく大幅に遅れてきた。
来たときは天然さんは急いでいたので、まぁ何か事情があって遅れたんだろーな、くらいに思っていた。遅れるにしても連絡くらいせーよ、と。
ただ来たときは話す機会がなかったのであとでそれとなく、まぁ注意ほどもいかないけど、ちょっとお願いというか、気をつけてね、くらいは言っておこうと思って。
「大幅に遅れるときは電話で良いので連絡「え、知らなかったです」・・・」
どうやら開始時間を勘違いしていたようで、本来より30分後だと思っていたらしい。
最後まで言う前に会話を遮られた。
あ、そうか知らなかったのか~
じゃあ仕方ないな~~~~~~~
って、知らないわけがない。
天然さん、時間を知らないわけがない。
先週もこれまで半年ほども、ずっと時間知っていた。
しかも来たときに話す暇がないほど焦ってたってことは、遅刻してる自覚があったのだと思う。
まぁ勘違いは誰にでもある。
私だってうっかりすることもある。
しかし、そうだとしても5分遅刻しとるやないかいいいいいい・・・・
と、たった5分、されど遅刻の狭間で悩むみみっちい自分にやるせない気持ちになり、結局天然さんは謝らなかった。
天然さんは自分が悪いと思わなかったらしい。
まさしく天然という名の凶器でぶん殴られた気持ちになった。
世の中にはいろんなタイプの”天然”がいるけど、共通していることは、自分は無自覚(に見せかけて)で他人に違和感を与える人だと思った。
私が天然さんに抱いた違和感は不快感だった。
中には違和感が好奇心の人もいると思う。
表現できない違和感を天然という言葉で片付けているのかもしれない。